見渡すかぎり、円満円満。
丸いかたちは「円満」という意味を表しており、またその「円満」がつながって広がっていく様子から吉祥文様のひとつに数えられます。右を向いても左を見ても円満だらけ。うちも隣も夫婦円満。円満解決、円満具足、所願成就円満する。「とにかくハッピー!」といった感じでしょうか。
七宝という名前の由来は、円が四方八方、見方によっては縦横十字に重なっているので、「四方」と「十方」の名から仏教でいうところの7種の貴金属、宝石類を称した「七宝」(金、銀、瑠璃(るり)、玻璃(はり)、瑪瑙(めのう)、[石車][石渠]*(しゃこ)、珊瑚)の名前に転じたとされています。
*[]内は「石へんに車」と「石へんに渠」でそれぞれ一文字。「蝦蛄」とも書く。
言われてみれば・・・
誰もが知っているあのルイ・ヴィトンの「モノグラム」が、この七宝文様や日本の家紋に影響を受けてデザインされたというのも有名なお話です。
モノグラムのデザインの制作には、創始者ルイ・ヴィトンの息子で二代目当主となるジョルジュ・ヴィトンが深く関わっていたそうで、 美術にも造詣の深かったこの方は、オリジナルのモチーフを考案する時に当時フランスでも 大流行していたジャポニズム(19世紀中頃〜末、西欧美術に与えた日本美術工芸の影響のこと)の要素を取り入れたそうです。
ルイとジョルジュが父子共同で作った「ダミエ」は日本の市松文様から、 父の死後にジョルジュが発表した「モノグラム」は七宝文様や日本の家紋から、それぞれ影響を受けたようです。
もとはと言えば、出まわる模造品と区別するために考案されたデザインだったそうですが、 悲しいことにいまやそんなモノグラムでさえニセモノ・バッタもんが売り買いされているのですから、 ジョルジュさんも浮かばれないでしょうね・・・。
うちの風呂敷の文様だっていつ模造品が出てくるやら。(悲)
もしパクリっぽいのを見つけても「バッタもんや!」と叫んで、お買いにならないよう気を付けて下さいね〜。